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ロックの部屋

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JET

JET『GET BORN』〔最強版〕



オーストラリアはメルボルン出身のバンド【JET】(ジェット)、最近のバンドなのにこんな古くさいロックンロールをやる連中がいると思うと嬉しくなってしまいます。この音はコンサート会場で良く耳にする音だ。PA(パブリック・アドレス)と言うのだけど、これは主に拡声を目的にした音響装置の事で高能率、高耐入力、高出力が特徴です。

よく家で聴くコンポの音と、ライブ会場で聴く音とは聞こえ方が違うと思うことがあると思いますが、家庭用のコンポの音は高能率・高出力である必要がなく、(遠くまで音が届く必要がない)小さな音圧でも音像が明瞭に聞こえなくてはいけないので高性能が要求されます。

PAは逆に高出力で音像が聴きとれればいいので、いわゆるハイファイな音ではない。従って会場の一番前あたりに位置してしまうと、ベース音ばかり耳についてしまい荒っぽい音がします。ホールの中間からやや後ろがベストポジションとなる場合が多い。でもこれは70年代80年代の例で、今時のライブコンサートは音響的音場的にも進化していてどの席でも洗練されて繊細な音が聞けるのかもしれない。

JETのこのアルバムは、そんな古くさいPAの音を再現している、今となってはかえって新鮮な響きに聞こえるから不思議なものです。スタジオ録音のCDでもライブ会場の乗りを実現しているから面白い。

60年代後期から70年代にかけての【ローリング・ストーンズ】、あるいは【ステイタス・クォー】【ACDC】あたりのロックの影響が強いと思う。この〔最強版〕にはDVDでライブ映像が5曲入っていて、これが素晴らしいのです。スタジオ録音のCDでは分かりにくい、迫力が満載。JETはライブで魅力を発揮するバンドなんだなぁと再認識しました。

特に『BIG DAY OUT ‘04』でのものが素晴らしい。「HEY KIDS」「COLD HARD BITCH」の2曲を雨中で演奏、アンプ近辺から湯気がもうもうと上がったりして、熱気が伝わってくる。

フジロックフェスティバル’03からも1曲「ARE YOU GONNA BE MY GIRL」を。

《ARE YOU GONNA BE MY GIRL》
♪膝まである黒いブーツ
 長い茶色の髪
 人を寄せつけない目つきも
 最高にいかしてる

 家まで
 連れて帰りたいのに
 べつの男がそばにいる
 ろくに言葉も
 かわさないうちに
 おまえはどこかへ消えちまう
 なあ 俺の女にならないか
 魅力的なおまえを俺のものにしたいんだ♪

こりゃロックには定番とも言える、すけこましの歌だ。こんな詩をロックのビートに乗せてシャウトするってのは男にとっては、最高に気持ちいい事なんですけどね。そういえばフライングVを弾いていたギターリストはACDCのTシャツを着ていましたぞ。
 
例外的に「LOOK WHAT YOU’VE DONE」なんてピアノが美しいバラードも出来る、この曲は何処かしらビートルズぽかったりします。

まだまだ先が楽しみなバンドです。

ライブ行きたいな。


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